「食事には気をつけています」それでも栄養が足りないことがある理由
日曜の朝、少し立ち止まる時間に。
今週も「妊娠前の今を整える」という視点で、体と向き合うヒントをお届けします。

「食事には、気をつけています」
妊娠前の体づくりについてお話ししていると、そう話される方もお見えになります。
朝ごはんも食べている。 野菜も意識している。 甘いものも、なるべく控えている。
先日も、食事を一緒に振り返ってみると、
「思っていたより、たんぱく質が少なかった」
「食べているつもりだったけれど、量が足りていなかった」 「足りないかと思ったら、おなか一杯です」
と感想がありました。
食事に気をつけていることと、今の体に必要な栄養が足りていることは、
同じとは限りません。
実は、日本人のエネルギー摂取量を振り返ると、
2019年には1人1日平均1,903kcalと、1946年と同じ水準だったというデータもあります。
もちろん、これだけで「今の日本人は戦後と同じ栄養状態」と言うことはできません。
でも、食べ物が豊富にある今でも、「食べていること」と「自分の体に必要な量を食べていること」は別だと考えるきっかけにはなると思います。
だから私は、「何を食べていますか?」だけではなく、
「どのくらい食べていますか?」まで一緒に見ています
今日は、「食べているつもり」と「体を支える食事」の違いを整理していきます。
見た目が健康的でも、量が足りないことがあります
たとえば、ある日の食事がこのような内容だったとします。
朝は、野菜とフルーツたっぷりのスムージー、プロテインも足してます。 昼は、おにぎりとサラダ。 夜は、野菜をたっぷり使ったおかず。
食事を抜いているわけではありません。
野菜も食べています。
忙しい中では、かなり気をつけている食事に見えます。
けれど、何か毎食不足してそうなのですが・・お気づきですか?
大切なのは、「何を食べたか」だけではありません。
どのくらい食べたか。
朝、昼、夜のどこで食べたか。
一日の流れで見た時に足りているか。
ここまで見て、初めて分かることがあります。
野菜を増やすだけでは、食事全体は整いません
野菜を食べることは大切です。
けれど、野菜を増やせば、食事全体が整うわけではありません。
体重を増やしたくない方や、食べすぎを気にしている方は、
ごはんを減らす。肉の脂を避ける。野菜を多くする。
という食べ方になりやすいものです。
その結果、お腹は満たされて、 主食や主菜が少なくなり、 体を支える材料が足りないことがあります。
妊娠前の体づくりで大切なのは、ただ食べる量を減らすことではありません。
主食、主菜、副菜を、今の体と暮らしに合う形で組み合わせることです。
「野菜を食べているから大丈夫」と思っている方ほど、 カラダを作るのに必要な3大栄養素が不足してエネルギーが足りたないかもしれません。 主食と主菜がどのくらい入っているか、一度見てみてください。
たんぱく質は、夜だけにまとめない
「夜は、お肉をしっかり食べています」
そう話される方もいます。
もちろん、夜にたんぱく質を食べることは大切です。
でも、朝と昼がパンやおにぎりだけになっていると、 一日の偏りは残ります。
たんぱく質は、筋肉だけでなく、血液、肌、髪、爪など、体をつくる材料になります。
だからこそ、夜だけにまとめるのではなく、 朝、昼、夜に分けて取り入れたいのです。
たとえば朝ごはんなら、
パンだけの日に卵を加える。 ごはんだけの日に魚や肉のおかずを少し加える。 前日の主菜を、朝の分として残しておく。
特別な妊活料理を作らなくても、今の食事に少し足すところから始められます。
甘いものが欲しくなるのも理由がある
朝ごはんを食べていても、午前中になると甘いものが欲しくなる。
夕方には疲れて、何かを口に入れたくなる。
そんな時は、甘いものを食べたことだけを見るのではなく、 その前の食事を振り返ってみてください。
朝は何を食べていたか。 昼は軽すぎなかったか。 空腹を長く我慢していなかったか。
ただし、甘いものが欲しくなる理由は、食事だけではありません。
睡眠不足、疲れ、ストレス、生理周期なども関係します。
だから、「我慢すればよい」と単純に考えなくて大丈夫です。
妊娠前の体づくりは、食べてはいけないものを増やすことではありません。
なぜ、その食べ方になっているのか。
今の自分には、何が必要なのか。
そこを確認することです。
知っていることと、実際にできていることは違います
私自身、ダイエットをきっかけに栄養を学びました。
知識を得ると、「こうすればよい」と分かることが増えます。
けれど、知っていることと、 毎日の食事で実際にできていることは同じではありませんでした。
朝は時間がない。 昼は仕事の都合で簡単に済ませる。 夜は疲れて作れない。
日常は、教科書どおりには進みません。
だからこそ、頭の中だけで考えるのではなく、 実際の朝、昼、夜の食事を見ることが大切です。
実際並べてみると、
朝に抜けやすい。昼が軽くなりやすい。疲れると夜が後回しになる。
そんな自分の食事のクセが見えてきます。
誰かの正解ではなく、自分の生活に合う整え方を見つける。
そこから、妊娠前の体づくりを始めてよいのです。
今日の食事を振り返ってみましょう
今日の食事を、少しだけ振り返ってみてください。
・朝、昼、夜に主食はありましたか。
・卵、魚、肉、大豆製品などの主菜は入っていましたか。
・食べた量は、今の仕事や生活を支えられる量でしょうか。
・午前中や夕方に、強い空腹や甘いものへの欲求はありませんでしたか。
これは、できているかどうかを採点するためではありません。
今の食事が、自分の体を支えられているかを知るためです。
「食べているつもり」から、今の体にあった必要なものを見つけていく。
そこから始めてみてください。
よくある質問
Q:食事に気をつけていても、栄養が足りないことはありますか?
A:はい、あります。
野菜を食べている、朝ごはんを食べているなど、意識できていることがあっても、主食やたんぱく質の量が少ないことがあります。
大切なのは、よい悪いで判断することではなく、今の体と生活に合う量や組み合わせを見ることです。
Q:料理が苦手でも大丈夫ですか?
A:大丈夫です。
難しい料理を作る必要はありません。
今の食事の中で、何が足りないのか、どこなら少し足せそうかを一緒に考えます。
Q:まだ妊活を始めていなくても相談できますか?
A:はい。
「いつか赤ちゃんを迎えたい」
「妊娠前から食事を見直した方がよいのか気になる」
という段階からご相談いただけます。
まとめ
食事に気をつけていることと、 今の体に必要な栄養が足りていることは、 同じとは限りません。
野菜を食べている。 朝ごはんを食べている。 たんぱく質になるものも食べている。
それでも、朝、昼、夜の流れで見ると、 思っていたより量が少なかったり、必要な食品が抜けていたりすることがあります。
今の食事を見て、自分の体に何が必要なのかを知ることです。
知っているつもりを、できている実感に変えていく。
「食事には気をつけています」それでも栄養が足りないことがある。
まずは、今の食事を一度見てみませんか
そのために、実際の食事を一緒に見ながら、 家でも続けられる形を見つけていきましょう。
妊娠前の体づくりは、生活を大きく変えることから始めなくても大丈夫です。
まずは、明日の朝ごはんを一度見てみる。
食べたものと、その後の空腹感や疲れ方はどうですか。
「食べているつもりだけれど、これでよいのかな」
「朝ごはんだけでなく、睡眠や体調も一緒に見てほしい」
と思った時は、 一人で正解を探し続けなくても大丈夫です。
私は助産師として、医療と日常のあいだをつなぐ相談相手でありたいと思っています。
妊娠のために完璧な生活を目指すのではなく、今の自分に必要な整え方を知る。
そこから、妊娠前の体づくりを始めてみませんか。
【今の体を整理する時間】では、 食事や生活、不調を一緒に振り返り、今のあなたが最初に取り組むことを一つに絞ります。
相談したからといって、すべてを変える必要はありません。
たくさん頑張ることよりも、
今の私には、何が必要なのか。
その現在地と、整える順番を知ることから始めます。
一人で抱え込まず、まずは今の自分を確認する時間としてご利用ください。
※医療行為や診断ではありません。症状に応じて、医療機関への相談をご案内します。
【この記事を書いた人】
西野裕子
助産師|妊娠前の今を整える、妊活の家庭教師
助産師として30年、妊娠前から妊娠中・産後まで多くの女性と関わってきました。現在は「妊娠前の今を整える、妊活の家庭教師」として、食事・生活習慣・体の土台づくりをサポートしています。→ 詳しいプロフィールはこちら


